歯の移植(自家歯牙移植)
歯の移植と聞くと非常に高度でアクロバット的な治療を連想される方も多いですが、インプラントよりも大変予後が良く、条件が合えば大変成功率の高い治療法の一つです。最も多いのは正常に生えている親知らずを抜き、保存できなくなった歯のところに植えるという方法です。まず、保存できなくなって抜かなければならない歯を抜歯し、次に親知らずを抜き、大きさやかみ合わせを少し調整して移植します。
この方法は、歯が割れるなどして、残念ながら抜歯以外の方法がなくなってしまったとき、ブリッジやインプラント・入れ歯などとともに、選択肢の一つとなります。
適応条件は、年齢的に40歳前後まで、親知らずなどのドナー歯があること、移植したいところの大きさがあうことなどです。
親知らずの抜歯は、歯根膜(歯の根を覆っている細胞で、歯が移植した先に定着するのに重要です)を傷つけないように細心の注意をはらって行います。そして、移植するところにはめこみます。症例によっては1週間程度歯を固定します。根の治療(精密根管治療 マイクロエンド)を2週間後から開始します。(そのままですと、のちに根が吸収して不成功となってしまいます)根の治療が終わったら、歯の上の部分をかぶせます。(歯冠修復)
成功すると、神経のない歯と同じようになります。
月星光博著 自家歯牙移植(クインテッセンス)より
詳細な映像で、治療の各工程をご説明しています。