マイクロサージェリー(歯内療法外科)
根尖切除術
残念ながら、根管治療(マイクロエンド)を清潔な環境下で施しても治らない場合があります。(根管治療の項を参照してください)これには様々な原因がありますが、大きな原因の一つは歯の根の形の複雑性です。歯の中からの治療の限界であるとしても、すぐに抜歯というわけではなく外から治療すれば治る可能性があります。
この外科処置は麻酔をして歯ぐきを開き、骨を小さくあけて、歯の根の先端3mmと病巣を切り取って、残りの歯の根に薬をつめ(MTAセメント)、開いた歯茎を戻して縫合するという手術で歯根端切除術といいます。
しばらく前までは顕微鏡(マイクロスコープ)を用いずに行われていた手術でしたが、顕微鏡(マイクロスコープ)用の手術器具や優れたセメント(MTAセメント)の発達により、負担を最小限にして手術できるようになりました。顕微鏡(マイクロスコープ)を用いるので、実際に悪かった部分を直接目で確認しながら取り除くことができます。
ヒロ横濱デンタルでは、清潔な環境で顕微鏡(マイクロスコープ)を使って根管治療しても(マイクロエンド)、痛みや異和感がとれない患者様にマイクロサージェリー(歯内療法外科)をお勧めしています。。
意図的再植術
神経治療(精密根管治療 マイクロエンド)をしても治らない場合は、外科的に歯茎を開いて根の先をカットする手術を行います。(ENDODONTICS MICROSURGERY マイクロサージェリーの項を参照してください)
しかし、部位や歯の状況によって歯根端切除術(ENDODONTICS MICROSURGERY マイクロサージェリー)を行うことが出来ない場合があります。その場合意図的再植術という術式を使います。
この方法は歯を一回完全に抜いてしまい、口の外で根の先をカットして根の側から薬をつめ、また元のところに戻す(抜いた歯を同じところに戻すので再植という)という方法です。マイクロサージェリーが技術的に難しい歯(親知らずがない場合は一番奥の歯・正面から数えて7番目)などに行います。 抜歯のときに、根が曲がっているために、歯が折れたり、歯根膜が大きく傷ついたりすると戻せなくなってしまうため、適応かどうかの慎重な判断が必要です。
歯の移植(自家歯牙移植)
最も多いのは正常に生えている親知らずを抜き、保存できなくなった歯のところに植えるという方法です。流れとしては保存できなくなって抜かなければならない歯を抜歯し、次に親知らずを抜き、大きさやかみ合わせを少し調整して抜いた歯のところに移植します(同日に行います)
この方法は、歯が割れるなどして、残念ながら抜歯以外の方法がなくなってしまったとき、ブリッジやインプラント・入れ歯などとともに、選択肢の一つとなります。
適応条件は、年齢的に40歳前後まで、親知らずなどのドナー歯があること、移植したいところの大きさがあうことなどです。
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月星光博著 自家歯牙移植(クインテッセンス)より
詳細な映像で、治療の各工程をご説明しています。