PFM(陶材焼きつけ冠) 色のひみつ

患者さまのお口の中でいかに天然の歯と調和させるか、、、その過程とは

PFM(ポーセレン・セラミックスを金属の上に張り付けた被せ物)の色はどのように作っていくのでしょうか。

PFMの構造をみていきます。
まず、一番下にフレームと呼ばれる金属部分があります。
その上に金属色をかくすための①オペーク、
歯の象牙質(天然歯ではエナメル質の下の厚い黄色い層)の色を表現する②デンティン、
前歯などで顕著である歯のさきの透明なところ(中間透明層)を表現するための③トランス、
最表層を表現する④エナメルと、
陶材を4つの構成にわけて制作していきます。

この4つの層を表現する色の数ですが、
①オペークが約30色
②デンティンが約50色
③トランスが約20色
④エナメルが約30色
存在します。しかし、それぞれの層を単色では患者さまのオリジナルの色に合わせることは難しいので、これらの色を細かくブレンドしながら色を作ることが多いため、その色の数は無限となります。

実際に患者さまの歯の色を作るときは、歯と歯の色見本をお口の中で撮った何枚もの写真やスケッチを見ながら、自分でミックスした色も使って30色前後の色を組み合わせて作っていきます。参考までに、一般には①オペーク②デンティン④エナメルで3色が普通です。また最近ではオールセラミックスという金属を全く使わない方法では②デンティン④エナメルで2色が普通です。
これで、天然の歯と調和する被せ物の秘密がお分かりいただけたかと思います。